冬の雪山は外界からの音が完全に聞こえなくなる。
外界とは即ち近くの道路からの車の走行音だったり工事現場の音、人間の発する営みの音であったりする。

特に冬の間に通行止めになるような山間部の近くは人の気配が無く静かだ。
注意深く耳を澄ませても遠くの高速道路を走るトラックの走行音さえ聞こえてこない。

そんな日の山は、ひと際鳥たちの声がハッキリ聴こえる。空をのっそり動く雲ですらなにがしかの低い周波数の音を出しているように感じられる。

昨晩降った雪が木々にへばり付いて固まっていた。雲が動き日差しが顔を出すと木々の固まった雪は一斉に溶けだしパリパリと音を立てて落ちていくが、それが何とも心地いい響きの音なのだ。

雪は降っていない。風が吹くと木に積もった雪が小さな氷の塊になって落ちてくる。まるで砂糖のように固い結晶だ。

その結晶が枯れてぶら下がっている乾燥して丸くなった薄茶色の1枚の葉を風鈴のように叩いた。
小さくチリチリと鳴ったような気がして、浅く吸った息を止めて聴き取ろうと身構えていると、チャッピーとココが荒い鼻息をさせながら飛び込んできた。

#ゴールデンレトリバー#ボーダーコリー#スノーシュー

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